エンシュアを栄養保持目的で使用すると保険給付の対象外に? 知っておきたい例外規定

医療や介護の現場で広く使用されている経口・経管栄養剤「エンシュア」。食事から十分な栄養が摂取できない方にとって重要な栄養補給手段ですが、実は使用目的によっては健康保険の給付対象外となる場合があることをご存じでしょうか。

エンシュアは医薬品として承認されている栄養剤であり、「単なる栄養補給食品」とは位置付けが異なります。そのため、保険診療で処方するためには、厚生労働省が定める適応に該当している必要があります。

特に注意が必要なのが、「現在の栄養状態を維持するため」「食事量が少ないので補助的に飲むため」といった栄養保持のみを目的とした使用です。このようなケースでは、保険診療上の適応を満たさないと判断され、保険給付の対象外となる可能性があります。

一方で、誤解してはいけないのは、「高齢者だから対象外」「認知症だから対象外」というわけではない点です。重要なのは年齢や病名ではなく、医学的な必要性です。

例えば、口腔・咽頭疾患による嚥下障害、消化管疾患による栄養障害、手術後や重度疾患による低栄養状態、がんや神経疾患によって通常の食事摂取が困難な場合などは、医師が医学的必要性を認めれば保険適用となる場合があります。

また、食事だけでは必要な栄養量を確保できず、低栄養状態の改善や治療を目的として使用するケースも保険適用の対象となることがあります。

介護現場では、「最近食が細くなったのでエンシュアを出してほしい」「体重が減らないように続けたい」という相談を受けることがあります。しかし、保険制度上は『栄養状態の維持』と『栄養障害の治療』が明確に区別されています。

ケアマネジャーや介護職員としては、「エンシュアを飲んでいる=保険適用される」と考えるのではなく、なぜ処方されているのか、その医学的な目的を理解しておくことが大切です。

利用者やご家族から質問を受けた際には、自己判断で継続や中止を考えるのではなく、主治医や管理栄養士に相談するよう案内しましょう。

医療保険制度は複雑ですが、正しい知識を持つことで利用者の不利益を防ぎ、適切な支援につなげることができます。日々のケアの中で、栄養管理の重要性と保険制度のルールの両方を理解しておきたいものです。

https://www.abbott.co.jp/our-products/ensure-liquid.html
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