「ケアマネさんから言ってください!」と言われたら?
こんにちは。「在宅deスキマネ」ブログです。
前回から始まった新シリーズ、
「ケアマネお悩み相談室」
日々のケアマネ業務で感じる、
「これって、どこまでやるの?」
「みんなどう対応してる?」
そんな“あるある”なお悩みを一緒に考えていきます。
今回のお悩みはこちら。
「本人が言うことを聞いてくれなくて……。ケアマネさんから言ってもらえませんか?」
ケアマネジャーなら、一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
「ケアマネさんから言えば聞くと思うので…」
例えば、ご家族からこんな相談を受けることがあります。
「デイサービスに行きたがらないんです。ケアマネさんから行くように言ってください」
「お風呂に入ってくれないので、ケアマネさんから言ってもらえませんか?」
「もう一人暮らしは無理だと思うんです。施設に入るよう説得してください」
家族が困っていることは、よく分かります。
毎日の介護を担っていれば、
「誰かから言ってもらいたい」
と思うこともあるでしょう。
そして、頼られたケアマネジャーも、
「分かりました。私から話してみます」
と答えたくなります。
でも、ここで少し考えてみましょう。
ケアマネは「説得する人」でしょうか?
ケアマネジャーの役割は、本人を家族の希望どおりに動かすことではありません。
大切なのは、
「なぜ本人はそうしたくないのだろう?」
と考えることです。
例えば「デイサービスに行きたくない」という言葉の背景にも、
「知らない人ばかりで不安」
「自分はまだ介護を受けるほどではない」
「以前行った場所が楽しくなかった」
「家で過ごす方が安心する」
など、さまざまな理由が考えられます。
「行きたくない」という言葉だけを見て説得するのではなく、その背景にある本人の気持ちを知る。
そこからケアマネジメントが始まります。
でも、家族の困りごとも置き去りにしない
ここでもう一つ大切なのが、家族の気持ちです。
「本人の意思を尊重しましょう」
だけで終わってしまえば、介護している家族は、
「じゃあ、私はどうすればいいの?」
となってしまいます。
本人がデイサービスへ行かないことで、家族が休めない。
入浴を拒否することで、家族が対応に困っている。
一人暮らしを続けることで、離れて暮らす家族が毎日心配している。
本人の希望と家族の希望が一致しないことは、珍しくありません。
だからこそ、
「本人か、家族か」ではなく、「双方が何に困っているのか」を整理すること
が重要です。
「説得してください」を、そのまま受け取らない
ご家族から、
「ケアマネさんから言ってください」
と言われたとき。
すぐに「分かりました」と引き受ける前に、
「どうして、そうしてほしいと思われたのですか?」
と一歩掘り下げてみます。
すると、
「仕事に行っている間、一人にするのが心配」
「最近、介護に疲れてしまって……」
「転倒したらと思うと怖い」
など、本当の困りごとが見えてくることがあります。
つまり、
「本人を説得してほしい」という依頼そのものが、本当のニーズとは限らない
のです。
ケアマネの仕事は「間に入る」だけではない
ケアマネジャーは、本人と家族の間で単なる伝言役になるのではなく、
本人の想いを聞く。
家族の困りごとも聞く。
それぞれの背景を整理する。
そして、双方が納得できる方法を一緒に考える。
そこに専門性があります。
必要であれば、サービス事業所や医療職などにも意見を求めます。
一人で「正解」を決める必要はありません。
今日のお悩みへの答え
「本人が言うことを聞いてくれません。ケアマネさんから言ってください!」
そんな相談を受けたときの答えは、
「説得する前に、“なぜ?”を一緒に考える。」
本人には本人の理由があります。
そして、家族にも家族の事情があります。
どちらかを正解にするのではなく、その間にある課題を整理し、本人と家族が少しでも納得できる方法を探していく。
それが、ケアマネジャーだからこそできる支援ではないでしょうか。
次回予告
次回の「ケアマネお悩み相談室」は――
「休日なのに利用者・家族から連絡が……。ケアマネはどこまで対応する?」
緊急時だから仕方ない?
担当だから対応すべき?
それとも、仕事とプライベートは分けるべき?
ケアマネジャーが長く働き続けるための「仕事の境界線」について、一緒に考えていきます。
次回もぜひご覧ください。
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